〈変態〉二十面相

——もうひとつの近代日本精神史


2016年刊行!

竹内瑞穂+「メタモ研究会」=編

近代日本に現れた<変態>概念を解き明かす!

明治維新以降の近代化は、人々を封建的な諸制度の縛りから解き放つ一方で、
新たな近代的規範へと取り込んでいく。性科学・心理学・精神医学といった学知を通じ、
性欲や心理などの<変態>が問題視されるようにもなってゆく。
さらに1920~30年代では<変態>を排除または管理する動きとともに、
<変態>をある種の快楽として消費するエロ・グロ・ナンセンスが流行する。
<変態>には忌避と憧憬という矛盾するまなざしが併存した・・・。
本書は、こうした<変態>と向き合ってきた人物に焦点を当て、近現代の社会・文化を再考する論文集!

A5判・並製・224頁
定価:1,800 円+税(税込1,980円)
ISBN978-4-86617-020-6

電子書籍での購入はこちら

〈変態〉二十面相――もうひとつの近代日本精神史◉目次

総 論❖〈変態〉を繙く 江戸川乱歩と梅原北明の〈グロテスク〉な抵抗―竹内瑞穂

第Ⅰ部〈変態〉と向かい合う 精神医学・心理学

第1章❖呉秀三 とらえどころのない〈精神〉と〈正統派〉精神病学-橋本明
第2章❖『変態心理』の頃の森田正馬-安齊順子
第3章❖小熊虎之助と変態心理学-小泉晋一
コラム❶〈変態心理〉的美術あれこれ-古川裕佳

第Ⅱ部膨張する〈変態〉 変態心理・変態性欲・霊術

第4章❖変態する人・中村古峡 結節点としての『殻』-佐々木亜紀子
第5章❖文学が〈変態性欲〉に出会うとき 谷崎潤一郎という〈症例〉-光石亜由美
第6章❖田中守平と渡辺藤交 霊術家は〈変態〉か-一柳廣孝
コラム❷なぜ男たちは暗示にかかるのか 谷崎潤一郎-西元康雅
コラム❸芥川龍之介 〈変態心理〉言説に翻弄された大正の文豪-乾英治郎

第Ⅲ部〈変態〉の水脈 テクスト・表象

第7章❖性的指向と戦争 大日本帝国陸軍大尉・綿貫六助の立ち位置-島村輝
第8章❖妄想される〈女ごころ〉 木々高太郎『折蘆』考-小松史生子
第9章❖三島由紀夫 とてつもない〈変態〉-柳瀬善治
第10章❖戦後空間を生きのびる〈変態〉 阿部定と熊沢天皇-坪井秀人
コラム❹極北の耽美小説家 山崎俊夫-月光散人
コラム❺酒井潔 澁澤龍彦・種村季弘が愛したエロティシズムの旗手-大橋崇行

メタモ(変態)とは何ぞや あとがきに代えて-坪井秀人

参考文献一覧 〈変態〉を学ぶ人のために -竹内瑞穂〔編〕

図版出典一覧
関連年表
人名索引
執筆者紹介
パンフレット

キャプチャ henntai pum

ご注文はこちら

 

《お詫びと訂正のお知らせ》(2021.6.30更新)
本文中に誤りがございました。 謹んでお詫び申し上げます。