台湾の治安維持法

治安維持法の歴史Ⅴ

2023年5月刊行

荻野富士夫著

植民地化に抵抗する台湾の人々を

時に死をもって徹底的に弾圧した「法の暴力」

小林多喜二や反体制の運動家たち多数の犠牲を出し、 言論と信条、信仰を封殺した治安維持法。 それでも国内では事例のない死刑判決が、 植民地台湾と朝鮮ではくだされ、執行されていた。 治安維持法が実効するより早く、合法的に徹底弾圧し 大量の犠牲者を出した一九世紀末の「匪徒刑罰令」。 匪徒刑罰令から治安維持法の運用そして日本の敗戦まで、 台湾で繰り広げられた言論と行動への弾圧の様相を 明らかにする。

A5 判・並製・296 ページ

定価 2,500円+税(税込 2,750 円)

ISBN978-4-86617-169-2

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目次

はじめに

Ⅰ 匪徒刑罰令の猛威 ——一八九〇年代〜一九一〇年代

一 匪徒刑罰令の制定と運用

二 一九一〇年前後の「匪徒事件」の司法処断

Ⅱ 治安維持法の運用開始——一九二〇年代

一 治安警察法の施行

二 治安維持法の施行

三 治安維持法の初期の運用

四 治安維持法以外の治安法令活用

五 抑圧取締機構の確立

Ⅲ  治安維持法運用の全開——一九三〇〜三七年代

一 全開期の概観

二 共産主義運動への発動

三 民俗独立運動への適用

四 治安維持法以外の法令活用

五 抑圧取締機構の拡充

Ⅳ 戦時体制下の治安維持法 ——一九三八〜四五年

一 戦時下の治安厳重化

二 新治安維持法による民族独立運動への追撃

三 治安維持法以外の法令活用

おわりに


台湾の治安維持法』パンフレット

 

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