戦後 夜間中学校の歴史

——学齢超過者の教育を受ける権利をめぐって


2018年重版出来!

「学校図書館」2021年7月号の書評で紹介されました。

十五歳を過ぎてもなお「学びなおしたい」生徒と、彼ら彼女らを応援した人々を通じて、
その歴史的経緯と意義を、学齢超過者の教育を受ける権利を中心に考察!


著者: 大多和雅絵

A5判・上製・368頁
定価:3,000 円+税(税込3,300円)
2017年6月初版
ISBN978-4-86617-034-3

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新たに「教育機会確保法」が施行され、ようやく義務教育を受ける機会を逸したあるいは逸している人々のための、公教育を受ける施策と財政措置が法的にも確立された。
本書は、現在もなお全国8都府県(東京・千葉・神奈川・京都・大阪・兵庫・奈良・広島)に31校ある夜間中学校が、戦後、社会的には必要とされながらも教育制度上は明確な根拠を持たず脆弱な基盤の上に存在し、かつその制度的あいまいさが政府によって利用されてきた事実と、その不備を放置してきた実態を明らかにする。
……夜間中学校には、家庭の経済的な事情等で不就学・長期欠席状態となった生徒や不登校の生徒をはじめ、引揚・帰国者や在日韓国・朝鮮人、ニューカマーなど、多くの学びたい人々がいる!

目次
はじめに
序章
第一節─研究の課題
第二節─研究の視点
第三節─本研究における夜間中学校とは
第四節─公教育における学齢超過者問題
第五節─先行研究の検討
第六節─本研究の構成・方法第一部 夜間中学校の制度をめぐる戦後史
第一章 二部授業としての位置づけと法制化を求める運動
第一節─二部授業としての位置づけ
第二節─「教育条件改善のための法制化運動」とその背景第二章 法制度的矛盾下における夜間中学校に関する行政監察
第一節─「義務教育に関する行政監察」(一九五二年)
第二節─「年少労働者に関する行政監察」(一九六六年)とその勧告第三章 国会審議に現れた文部省の方針とその変遷
第一節─第Ⅰ期(一九五〇年代から一九六〇年代中頃)
第二節─第Ⅱ期(一九六〇年代後半頃)
第三節─第Ⅲ期(一九七〇年代始め頃)
第四節─第Ⅳ期(一九七〇年代中頃から一九八〇年代)第四章 教育対象の変化と行政側の対応
第一節─東京都の夜間中学校における学齢超過者の増加
第二節─東京都の夜間中学校における教育対象の移行
第三節─不登校問題と夜間中学校第二部 一九七〇年代における夜間中学校の開設
第五章 夜間中学校の開設運動のはじまり
第一節─夜間中学校の開設運動の概観
第二節─京都府・大阪府における夜間中学校の開設運動
第三節─東京都における夜間中学校の開設運動第六章 神奈川県川崎市における夜間中学校の開設過程
第一節─川崎市における夜間中学校の開設運動のはじまり
第二節─「川崎に夜間中学を作る会」の活動と行政側の対応
第三節─自主夜間中学の開設
第四節─自主夜間中学の学習者
第五節─「川崎に夜間中学を作る会」の運動の転換
第六節─夜間中学校の開設第七章 東京都の夜間中学校における日本語学級の開設過程
第一節─夜間中学校における日本語学級開設の背景
第二節─夜間中学校関係者による日本語学級開設の請願と行政側の対応
第三節─日本語学級の開設と諸問題の浮上
第四節─「引揚者センター」の構想終章
主要参考文献・資料等一覧
あとがきに代えて
索引


パンフレット

 

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