総力戦体制下の〈教育科学研究会〉

生活教育とカリキュラムの再編成


金智恩 著

2020年7月10日刊行!

子どものための教育とは何か――
本書は、一九三〇年代の総力戦体制下で
学制改革に真正面から取り組み、
常に文部省の教育政策に対して批判意識を持った
教育科学研究会(教科研)とは何かをテーマに、
国策研究(同志)会や教育改革同志会の議論も比較検討しながら、
その理論の全容の解明に取り組んだ意欲作!

 

教育科学研究会は1937年、城戸幡太郎(1893~1985年)や、留岡清男(1898~1977年)を中心に発足し、1941年4月に解散した民間教育研究団体である。
当初は、プロレタリア教育運動や生活綴方教育運動を担った教師たちの期待を集めたが、1940年からは大政翼賛会へ参加することとなる……。
教科研の改革内容には、義務教育年限延長の変革を目前にして、この問題と深くかかわってくる『大衆青年教育の確立』という改革方針や、青年学校と中学校の区別をなくし全く新しい「中学校」構想を提示し、教育の機会均等を目標に改革を論じた。
また男女同権を主張し、年少労働者の労働環境の整備を訴え、さらに労働以外の「文化生活」を取り入れることなど大きな特色があった。

 

A5判・上製364ページ

定価 4,800円+税

ISBN978-4-86617-091-6

目次
序章
 第一節 研究の背景
 第二節 先行研究の検討
 第三節 構成・本研究の課
第一章 一九三〇年代における学制改革論議をめぐる動向 改革方針としての教育ノ実際化
 第一節 一九三〇年代の諸改革案における「教育ノ実際化」の意味」
 第二節 教育審議会における教育目標としての「教育ノ実際化」
 小括
第二章 教育科学研究会の成立過程における生活教育論の基盤形成
 第一節 教育制度改革論の出発― 『教育』の創刊
 第二節 教育科学研究会の成立における課題設定
 第三節 共同研究テーマ 「国民のー人に附与すべき教養の最低必要量」の設定背景
 小括
第三章 国策研究(同志)会と教育研究会・教育改革同志会における研究活動
 教育行政機構改革論を中心に
 第一節 国策研究(同志)会の教育行政機構改革の構想
 第二節 一九三七年「教育改革案」の内容とその特徴
 第三節 教育科学研究会の中学校構想の特徴
 小括
第五章 義務教育年限延長と「教育的保護」の問題
 職業指導の再検討及び青年学校義務化に対する批判
 第一節 義務教育と社会法の制定──「教育的保護」の見地から
 第二節 年少労働者の労働環境と教育制度改革──鈴木舜一の「研究調査」を中心に
 第三節 文部省の青年学校義務制における矛盾
 小括
第六章 教育科学研究会の大衆青年教育の教育構想
 第一節 青年学校における教科内容──改革理論としての「生活教育」
 第二節 教育改革同志会の「青年学校義務制案要綱」の特徴
 第三節 大衆青年教育における「生活教育」──協同組合との連携論
 第四節 北海道製酪販売組合と酪農義塾における「生活教育」
 小括
第七章 教育科学研究会の大衆青年の生活設計
 第一節 共同研究テーマ「国民の一人に附与すべき教養の最低必要量」の構想とその目標
 第二節 大衆青年の生活に関する実態調査
 第三節 大衆青年の生活設計──鈴木舜一の勤労青少年の「生活時間形態」調査
 第四節 国民学校における生活教育
 小括
終章
 第一節 まとめ
 第二節 本研究の意義
 第三節 今後の課題
参考資料/参考文献および参考資料/あとがき/索引

パンフレット

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