朝鮮の治安維持法
運用の通史
治安維持法の歴史Ⅳ
2022年1月刊行!
1月30日付北海道新聞に著者・荻野富士夫さんと、『アイヌ通史』を出版された研究者のマーク・ウィンチェスターさんの対談が掲載されています。
荻野富士夫著
日本でも思想や宗教を弾圧した治安維持法は、もともと反日本帝国主義感情が強かった植民地朝鮮でより残虐に徹底して適用された。日本国内では獄死はあったものの刑死はなかったが、朝鮮では刑死者も頻出した。土地を奪い言葉を奪い名前を奪った朝鮮での治安維持法の猛威ぶりを判決文や訊問調書などを読み込み、辿る。
A5判・並製・380ページ
定価 2,500円+税(税込2,750円)
ISBN 978-4-86617‐159-3
目次
はじめに
Ⅰ治安維持法運用の開始――一九二五〜二七年
一 朝鮮における治安維持法前史
二 朝鮮における運用の開始
三 「満洲・間島」における初期の運用
Ⅱ全開する治安維持法――一九二八〜三四年
一 全開期の概観
二 民族独立運動への本格的運用
三 朝鮮共産党崩壊に至る治安維持法の適用
四 共産主義運動への集中的運用――一九三〇年代前半
Ⅲ拡張する治安維持法――一九三五〜四〇年
一 拡張期の概観
二 共産主義運動への追撃的適用
三 再燃する民族主義への適用 四 宗教団体への先制的適用
Ⅳ暴走する治安維持法――一九四一〜四五年
一 暴走期の概観
二 民族主義運動・意識の最終的えぐり出し
三 共産主義運動・意識の最終的えぐり出し
四 宗教事犯への本格的適用
五 保安法・朝鮮臨時保安令・不敬罪・陸海軍刑法などの積極的活用
おわりに
あとがき