戦後教員養成改革と「教養教育」
山崎奈々絵 著
戦後の教員養成改革の実態を、教養教育の変遷から丁寧に検証し描き出した労作
はたして一般教養を重視して『師範タイプ』(視野が狭く社会性に欠け、
権力に従順で主体的な判断力に欠ける)を克服するという、
戦後教員養成の理念は、新制の教員養成系大学/学部の発足にあたり実質を伴っていたのだろうかーー。
教育刷新委員会の議事録や各大学の沿革史はもちろん、
IFELや大学基準協会などの動向、戦後初期の師範学校、
再編後の教員養成系大学のカリキュラムや教員組織といった細部までを検証し、その実相に迫る!
A5判・上製・290頁
定価:5,200 円+税(税込5,720円)
2017年1月刊行
ISBN978-4-86617-023-7
目次<抄録>
序 章
本書の目的
先行研究の検討
研究の方法と構成
第Ⅰ部
制度改革をめぐる議論
第1章 戦後初期の教員養成論の到達点
教育審議会の審議
教育科学研究会の小学校教師論
日本教育家委員会報告書
米国教育使節団報告書
第2章 教育刷新委員会の審議
教育刷新委員会の概要
「大学における教員養成」原則の成立
学芸大学構想の登場と具体化
学芸大学構想の再確認
第Ⅱ部
制度改革の具体化
第3章 師範学校におけるカリキュラム改革と大学レベルのカリキュラム案
師範学校におけるカリキュラム改革 (東京第一師範学校・大阪第二師範学校・
福岡第一師範学校・静岡第一師範学校・群馬師範学校など)
大学レベルのカリキュラム案
第4章 IFELの研究活動
教員養成のための研究集会
第二~三期IFELにおける教育学部教授講習
第六期IFELにおける小学校管理および指導に関する講習
第九期IFELにおける教員養成カリキュラムに関する講習
第5章 大学基準協会の研究活動
教員養成系大学・学部に関する基準
サーベイ・コースの位置づけ
第6章 文部省・大学設置委員会の構想
文部省の制度構想
大学設置申請に関する文部省の指示
大学設置委員会の構想
第Ⅲ部
教員養成系大学・学部におけるカリキュラムと教員組織の形成過程
第7章 カリキュラムの形成過程
大学設置委員会案と各大学案にみる小学校教員養成と中学校教員養成の関係性
(大学設置委員会案・ 大阪学芸大学案・福岡学芸大学案 ・静岡大学案)
1952年度「東京学芸大学カリキュラム」の形成過程
日本教育大学協会第二部「カリキュラム研究全国集会報告書」
文科・理科区分と学芸課程設置の意味
岡山大学教育学部にみる小学校教員養成と中学校教員養成の関係性
第8章 教員組織の形成過程
設置申請から発足初期の教員組織 (神戸大学・東京学芸大学・愛知学芸大学・
大阪学芸大学・福岡学芸大学)
教育学部・文理学部の関係をめぐる問題 (静岡大学・山口大学・岡山大学)
終 章
総括
先行研究に対する知見
今後の課題
あとがき
参考文献・資料一覧
パンフレット
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