木銃の社会史
小学校教育における表象と国民形成
2021年11月末刊行!
佐喜本愛 著
強国をめざした近代日本において、 小学生男児に向けておこなわれた 兵式体操は、どのような意味をもっていたのか。
「木銃」という「モノ」が、 小学校教育の現場でどのように扱われたのか、 その実態を明らかにして近代日本の教育を照らし出す。
A5判・上製・228ページ
定価 4,000円+税(税込4,400円)
ISBN 978-4-86617‐155-5
目次
序 章 本書の視座と課題
第一節 なぜ「木銃」なのか── 本書の課題
第二節 「社会史」のアプローチ── 本書の方法
第三節 政策/教師/現場/指揮刀── 本書の構成
第1章 小学校における木銃の使用規定 ──小学校の兵式体操に関する政策
第一節 小学校令公布から一八九四年文部省訓令第六号までの規定
第二節 一八九四年文部省訓令第六号「体育及衛生ニ関スル訓令」後の規定
第三節 一九〇一年「小学校体操科課程及教授時間割」以降の規定
第2章 木銃の使用をめぐる様々なニーズ
第一節 小学校の兵式体操指導教員について
第一項 養成・任用
(一)小学校令公布から一八九四年文部省訓令第六号まで
(二)一八九四年文部省訓令第六号「体育及衛生ニ関スル訓令」後
(三)一九〇一年「小学校体操科課程及教授時間割」以降
第二項 兵式体操教員に期待されたもの
第二節 木銃使用に対する教員の認識
第三節 木銃の考案・製造・販売
第一項 各地方における木銃の販売
第二項 販売されていた木銃の性質
第三項 手作りの木銃
第3章 各学校における木銃の使用
第一節 木銃の使用場面
第一項 体操の授業時間内
第二項 遠足・運動会
第三項 儀式
第二節 使用された木銃の性質
第三節 木銃の保管と整備
第四節 木銃を通した児童生徒間の意識形成
第五節 小学校の兵式体操と服装
第4章 指揮刀の使用
第一節 指揮刀の使用の可否をめぐる議論
第二節 指揮刀使用の実相
第一項 指揮刀の販売
第二項 回想記からうかがえる指揮刀使用
終 章