高等専修学校の研究
地域の教育ニーズに着目して
2022年4月刊行!
山田千春 著
本書は、高等専修学校の前身である
「各種学校」時代からの歴史やその後の実情を紹介し、
いわゆる後期中等教育における評価を、
高等専修学校のひとつの特色でもある 不登校の生徒や発達障害の生徒の受け皿としての実態や、
地域の教育ニーズとの関連性を聞き取り調査から検証し、
北海道内の事例などを通して詳細にまとめたものである。
現在、広域通信制高校を軸に、
それと連携した高等専修学校や技能連携校・サポート校などが存在し、
「高校」以外の教育機関が より多様化しているなかで、 高等専修学校の社会的役割は年々増している。
A5判・上製・278ページ
定価 2,800円+税(税込3,080円)
ISBN 978-4-86617-163-0
推薦人 清水信一(全国高等専修学校協会 会長)
目次
はしがき
序章 本研究の目的と課題 高等専修学校の研究と地域性への着目
一 研究の背景
二 本研究で対象となる三年制の高等専修学校
三 先行研究の検討── 非主流の後期中等教育機関の研究
四 研究課題と研究枠組み
第1章 高等専修学校の成立と概要
はじめに
一 各種学校時代の歴史
二 専修学校の法制度化後の高等専修学校
三 なぜ認知度の低い学校種なのか
四 高等専修学校と類似する教育機関との相違点
おわりに
第2章 技能連携制度の歴史と現状
はじめに
一 制度のおこりと各種学校連携拡大の背景
二 G高校の資料による技能連携生徒の推移
三 その後の制度改正
四 現代における技能連携制度の実態
五 技能連携制度の意義
おわりに
第3章 全日制高校に対する役割の検討
はじめに
一 北海道の高等専修学校の多様性
二 高等専修学校の地域による位置づけ
三 地域における全日制高校との関係
四 全日制高校に対する補完のあり方について
五 管理職が考える高等専修学校の展望
六 北海道における高等専修学校の将来の行方
おわりに
第4章 高等専修学校の変遷 ある一つの学校の事例を中心に
はじめに
一 B市の概略と中学生の進学先
二 B校の概要
三 街角の教室から疑似全日制高校への変遷過程
四 不登校生徒や発達障害を抱えている生徒の受け入れ過程
五 地域の後期中等教育における役割の変化
おわりに──B校の課題
第5章 高等専修学校における教育の意義 卒業生からの聞き取り調査を中心に
はじめに
一 調査から確認できる高等専修学校に通学している生徒の実態
二 聞き取り調査の概要
三 卒業生のプロフィール
四 高等専修学校への進学動機
五 母校の教育の実態
六 卒業後の進路形成と教育との関連性
七 卒業生にとっての高等専修学校教育の意義
八 卒業生調査における学校の課題
九 高等専修学校の教育における今後の課題
終章 後期中等教育における高等専修学校の評価と高校教育の課題
はじめに
一 地域の教育ニーズを中心とした高等専修学校の評価
二 B校からみえてきた地域の高校教育の課題
おわりに── 本研究の学術的な意義と高等専修学校の可能性
補論 高等専修学校の一条校化をめぐる論点 管理職への聞き取り調査を中心に
はじめに
一 「専修学校の振興に関する検討会議」における一条校化の議論
二 高校と高等専修学校の比較
三 一条校化に対する管理職の意見
四 高等専修学校における一条校化をめぐる論点
参考文献・資料一覧
あとがき
主要事項索引・主要人名索引