子どもの貧困と教師
東京市万年小学校をめぐる苦悩と葛藤
2020年9月『研究論叢』第26号に書評が掲載されました
別役厚子 著
貧困児童と向き合う「教育者」とは、
どのような存在でありうるのか……。
かつて「貧困児童」であった者が自ら問い直す稀有の記録!
本書は、作家添田知道が遺した『小説教育者』執筆のための「取材ノート」の
翻刻とその解題を通して、その主な舞台であった万年尋常小学校と
坂本龍之輔の活動の実態を正面から探った、別役厚子の遺稿集!
A5判/上製/408ページ/定価3,800円+税(税込4,180円)
ISBN978-4-86617-076-3
2019年2月刊行
◎目次
はしがき│別役さんの横顔(堀尾輝久)
まえがき│教育実践研究への遺産(寺﨑昌男)
Ⅰ 添田知道『小説教育者・取材ノート』を読む
1 『小説教育者・取材ノート』解題
一 添田知道の遺した『取材ノート』--全体の解題
二 『取材ノート』に託されたもの
三 「子供の権利」に託されたもの--『取材ノート5』の解題
四 『取材ノート6』の解題
五 『取材ノート7』の解題
六 敗戦が小説執筆にもたらしたもの--『取材ノート8』の解題を含んで
七 添田の中の「貧民窟」--「どん底の顔」が語るもの
2 『小説教育者・取材ノート』翻刻
『取材ノート5』/『取材ノート6』/『取材ノート7』/『取材ノート8』/『取材ノー卜9』
Ⅱ 万年尋常小学校と坂本龍之輔
1 東京市「特殊小学校」の設立過程の検討││地域との葛藤に視点をあてて
はじめに
Ⅰ 学政統一論の中での東京市と各区の対立
Ⅱ 東京市教育会の東京市把握と「貧民」への視線
Ⅲ 区内既設学校との葛藤・対決としての「特殊小」の設立--下谷区の場合
まとめ
2 東京市万年尋常小学校における坂本龍之輔の学校経営と教育観
はじめに
Ⅰ 「特殊小学校」の設立背景
Ⅱ 万年小学校における坂本の実践
おわりに
別役厚子博士学位論文・目次と概要(概要翻訳)
「存在証明」としての学問│解説に代えて(駒込武)
別役厚子年譜・著作一覧
編集後記(川村肇)/人名索引