「女教員」と「母性」
近代日本における〈職業と家庭の両立〉問題
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齋藤慶子著
「女教員」たちは、男性教員と同等に働いているという誇りと
「母性」という女性教員の特質を強調することの矛盾をかかえていた。
現在の「育児時短」につながる「部分勤務制」の提案は、
ほんとうに「両立」を可能にして女性教員の生活を豊かにしたのか。
「部分勤務制」によって、低賃金の女性教員を確保しようとする帝国教育会の思惑、
そしてむしろ地位がさらに低下するのではないかと恐れる現場の女性教員の思い、
そのせめぎ合いを全国大会や地域の女性教員会の記録などから丁寧に読み解いた著。
案内記事が掲載されました
- 図書新聞 2015年1月17日
A5判・上製・288頁
定価:4,000 円+税(税込4,400円)
2014年6月刊行
ISBN978-4-905421-68-9
電子書籍(2020年1月10日 再版第一刷)
ISBN978-4-86617-090-9
目次
序 章
第一節 研究の目的と意義
第二節 本研究の視点
第三節 義務教育費国庫負担削減問題
第四節 先行研究の検討
第五節 構成・方法
第一章 「有夫女教員問題」の台頭
――第一回全国小学校女教員会議以前の言説を中心に
第一節 「排除」から「配慮」へ
第二節 既婚女性教員の「存在価値」――一九一〇年代半ばの言説と調査から
第二章 全国小学校女教員大会における議論
――「部分勤務制」可決までを中心に
第一節 第一回全国小学校女教員会議における〈職業と家庭の両立〉問題に関する
議論
第二節 国民教育奨励会主催全国小学校女教員大会での議論
―― 協議題「有夫女教員が主婦としての任務を全うすべき適切なる方法
如何」を中心に
第三節 「部分勤務制」可決までの議論
――第六回及び第七回全国小学校女教員大会を中心に
第三章 地域小学校女性教員会での〈職業と家庭の両立〉問題
第一節 各地域小学校女性教員会における〈職業と家庭の両立〉問題
第二節 京都市における小学校女性教員の産休・「勤務能率」問題
第三節 長野県下伊那郡における小学校女性教員の〈職業と家庭の両立〉問題
第四節 群馬県における小学校女性教員の〈職業と家庭の両立〉問題
結 章